佐藤拓

ATI(アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル)公認アレクサンダー・テクニーク教師。

東京生まれ、中学校のブラスバンドで始めたトロンボーンに夢中になり、音楽家を志す。

桐朋学園大学卒業後、2003年PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)に参加した経験を機にドイツ留学を決意、2004年ケルン音楽大学に入学。

ケルン歌劇場などのオペラ公演、教会コンサートをはじめ数多くの演奏活動を行う。

そんな忙しい中、突然起こった些細な演奏の不調が徐々に悪化していき、1年ほどかけてほぼ演奏不能の状態に陥る。幸運にも、知り合いのピアニストによってフォーカル・ジストニアの存在を知り、ハノーファーの専門医を受診、診断を受ける。

フォーカル・ジストニアの診断を受けたものの、決定的な治療法がないため、アルバイト生活をしながら右往左往する。

2009年、運よく音楽教室で教える仕事を紹介してもらい、楽器教師としての活動を始める。2014年の帰国までの間に、7歳から18歳の子供のべ300人以上に金管楽器の指導を行った。その頃からフォーカル・ジストニアについての情報収集を通して、「これは自分でやるしかない」という考えに至る。後に知ることになるのだが、アレクサンダー・テクニークの起源も、自身の舞台での声枯れを「自分で治すしかない」とF.M.アレクサンダーが決意したことによる。

ヨガ、フェルデンクライス、ディスポキネージス、自律訓練法など様々な療法、メソードを試していく中でアレクサンダー・テクニークに出会い、すぐに魅了される。最初のレッスンで「これこそが解決のカギになるにちがいない!」と確信し、すぐに先生に「この魔法のようなプロセスを自分も起こせるようになりたい」と言うと、ラッキーなことにちょうどその先生、Irma Heszのもとでの教師養成コースが始まるところだった。

3年半にわたる教師養成トレーニングを経て、2013年アレクサンダー・テクニーク教師資格取得。Irma Hesz, Tommy Thompson, Rosa Luisa Rossi の推薦によりATI(アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル)認定教師になる。

日本人初の金管楽器演奏をバックグラウンドとするアレクサンダー・テクニーク教師として、アレクサンダー・テクニークによる演奏改善レッスンを展開する傍ら、自身の経験を通して、アレクサンダー・テクニークによる音楽家のフォーカル・ジストニアの改善アプローチ・予防の実践・研究に取り組んでいる。ウェブサイト「音楽家のフォーカル・ジストニア」

ドイツ音楽生理学・音楽家医学協会(DGfMM)会員、ドイツ・ジストニア協会(DDG)会員、NPO法人ジストニア友の会理事。

アレクサンダー・テクニーク教師として、2011年世界コングレス(スイス・ルガーノ)、2012年ATI年次総会(パーペンブルク)、2015年世界コングレス(アイルランド・リムリック)などの国際会議のほか、ロンドン(Constructive Teaching Centre, Elisabeth Waterhouse, 稲田祥宏)、バーゼル(Tommy Thompson, Rosa Luisa Rossi)、リンツ(Tommy Thompson)、グラスゴー(Vivien Mackie)、ダルムシュタット(Don Weed)のもとで研鑽を積んだ。

過去2回行われたジストニア国際学会(ドイツ・ハノーファー)、ドイツ音楽生理学・音楽家医学協会年次会議(2011ドレスデン、2012フランクフルト、2013ケルン)、オーストリア音楽家医学協会年次会議(2013ウィーン)、パフォーマンス・サイエンス国際シンポジウム(2013ウィーン/2015京都)をはじめとする数多くの国際会議で音楽家医学の最先端に触れながら研究を進めている。

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